バネを使うまでの経緯・・・・・第2話
バネを使用するまでには色々と紆余曲折がありました。設計上大切な原則の1つに
部品数を必要最小限にするというコンセプトがあります。
この原則に従い、設計開始当初は部品数 ”0” を目指して設計を進めました。
本体軸とスライド軸の2つの部品(以下、2部品)以外の、他の部品使用は ”0” にこだわりました。 理論的には、2部品だけでスライド軸が適度な抵抗を持ちつつ滑らかに摺動(スライド)する設計は可能です。
実際、その機能を持つ製品は完成しました。ところが、前記機能を備えた良品率は極めて低いものでした。つまり、1/100mmの違いでも、スライド軸の摺動性にバラツキが生じる問題がありました。
この問題をクリヤーできるのか? 答えは、”No” です。
イクステンドゴニオメーターはアクリル板の切削加工により製作しています。切削加工する刃物は使用するごとに摩耗しているのです。
このような変化に常時対応した製作が可能か? 答えは、”No” です。
気温変化にともなうアクリルの膨張収縮変化まで対応できるのか? 答えは、”No” です。
価格は?・・・・・良品率を考慮すると部品 ”0” を目指すには困難であることは明らかです。
これらの問題が、他の部品 ”0” の理想(こだわり)を容易に捨てさせたのです。
発想の転換 😯 ⇒バネの使用を決定
実現化が極めて困難なことへの執着は停滞を生むので、理想は理想としバネ使用を決定しました。