イクステンドゴニオメーターの誕生まで・・・第8話(カシメ)

     イクステンドゴニオメーターの誕生まで・・・第8話(カシメ)

カシメ部 イクステンドゴニオ 角度部蛍光グリーン カシメ部

基本軸と移動軸のカシメ・・・第8話

 基本軸と移動軸を重ね合わせ、回転軸中心をカシメにより半固定します。基本軸と移動軸の回転は強過ぎず弱過ぎずという極めてデリケートな半固定力が必要とされるため、極めて繊細なカシメ圧着工程をもって基本軸と移動軸をカシメ半固定しています。このような微妙な半固定力を実現出来るカシメ機器は既存では見当たらないために、自社開発したカシメ機器によりこの半固定力を実現させています。

 この半固定力はカシメトルクとして表現しており、約400~1500gcmの範囲で調整しています。自覚的表現で表すと、「軽め」、「中等度」、「若干重め」という具合になります。

 カシメトルクは使用回数や使用方法により変化します

【図1】軸回転数と平均軸トルクの関係(対数表示)

下図(図1)は約3000回転させたときの軸回転数と平均軸トルクの関係を表します。

軸回転数つまり使用回数に伴い軸トルクが不均一に変化しているのが分かります。

カシメトルク 常数表示

【図2】軸回転数と平均軸トルクの関係(対数表示)

下図は測定点と近似直線のみを表した図です。

長期的にはは使用回数に伴い軸トルクは減少する傾向にありますが、

通常の使用範囲内では軸トルクが”0”になることは殆どありません

カシメ変化 対数グラフ

【万が一、軸トルクが”0”になり回転軸固定がプラプラになった場合の対処法】

イクステンドゴニオメーターの使用に伴い、軸トルクが減少し調整が必要になった場合は、下図のように移動軸側に突き出たカシメ材の頭部をハンマー等で軽く叩き、軸トルクの強さを確かめながら少しずつ調整することが出来ます。

カシメ軸トルクの調整方法 説明図

【軸トルクが強くなり過ぎた場合の対処法】

下図を参照に、移動軸と基本軸間の隙間に名刺程度の厚さの紙(文字面を傷つけないような素材)を挟み、隙間を適度に広げるようにすることで軸トルクを減少させることができます。過度に行うと緩みすぎることがありますので慎重に行ってください。