7.脊髄前角細胞の局在性

脊髄前角細胞の機能には局在性がある。

「2.脊髄の解剖、前角運動ニューロンの局在性」でも触れましたが、もう少し詳しく述べます。

神経根性、末梢性筋神経支配,半田肇,神経局在診断,p51 (2)

前角細胞において、屈筋の細胞は伸筋の細胞に比べてより深部(灰白質の中心近く)に位置し、遠位筋の細胞は近位筋(体中心に近い)より外側に位置する。

屈筋は伸筋に比べてより原始的なあるいは生命維持により重要に関わる運動であることから、脊髄(灰白質)の中心に近い所に屈筋の細胞を位置させることで、より安全な構成(局在性)にしている考えられる。

体幹の中心を基準に、遠位筋の前角細胞は前角の外側に位置し、近位筋の前角細胞は前角の内側に位置している。図は上肢筋の前角細胞を示し、外側から内側に向かって遠位筋の手から前腕、上腕、肩および躯幹筋の順に細胞が局在しているのが分かる。