薄束と楔状束
後索は薄束と楔状束で成り立ち、体性局在性が認められる。
仙髄からの線維は内側を走り、腰部と胸部からの線維はその外側を走り薄束6を形成する。
Th3~C2の線維は薄束の外側で、楔状束7を形成する。
後索すなわち薄束と楔状束を上行するこれらの線維は、
識別性知覚の ①外受容性インパルスと②固有受容性インパルスを伝える。
①外受容性インパルスとは触角の局在と質についての情報
②固有受容性インパルスとは体肢の位置と姿勢についての情報
【後索障害の臨床症状】
1.身体の姿勢知覚の障害:閉眼では、自分の四肢の位置が正確には分からない。
2.立体失認astereognosis:閉眼では、手で触れた物の形や性状を認知できないし描写もできない。
3.2点識別の障害
4.振動覚の障害:骨の上に置かれた音叉の振動を感じない。
5.ロンベルグ徴候Ronberg’s sign陽性 :閉眼で足をそろえて立つと動揺して倒れそうになる。
開眼すると、視角からの情報が補い立位可能。(小脳障害とはここが異なる。)