11. 脊髄損傷の検査

【脊髄損傷の検査】

1.X線

①多発外傷の有無

②椎体のアライメント、変形および骨折

a. 安定型骨折  :圧迫、粉砕骨折

b. 不安定型骨折 :脱臼骨折

頸椎脱臼骨折C3と固定術,総合リハ,vol.28,No.4,2000.4引用明記

③脊柱管の径:脊髄神経との距離、隙間をみる。

④OPLLがあるか

⑤異所性骨化の有無をみる

両股関節の異所性骨化,脊損マニュアル,医学書院,p15

⑥胸部X線   :気胸、血胸、横隔膜の挙上の有無、程度をみる

頸髄損傷患者の肺X線像の変化,脊損マニュアル,医学書院,p15

⑦腹部X線   :消化管の損傷、結石、膀胱尿管逆流等をみる

膀胱尿管逆流現象,脊損マニュアル,医学書院,p43

2.CT,CT myelogram

 以下の診断目的で検査する。

  ①損傷部の特定と詳細

  ②骨折、脊柱管内への圧迫の状態や程度

  ③変形の状態や程度

3.MRI

 脱臼、脊髄の狭窄や変形、浮腫、出血とうの診断に用いる。

4.呼吸検査

  ①スパイロメーター

  ②血液ガス分析

5.泌尿器系検査

 尿路感染、DSD;Destrusor Sphincter Dyssynergia(利尿筋括約筋強調不全)の有無、膀胱容量、 VUR;Vesico Ureteral Reflux(膀胱尿管逆流)、水腎症および結石の検査目的で以下の検査を行う。

  ①尿培養

  ②腎機能検査

  ③尿路造影

6.電気生理学的検査

  ①EMG:筋の働き具合を検査する。