【Zancolliの分類】
この分類法は上肢、手指の機能再建術を行うために、機能が残存する筋に応じて髄節を詳細に分類したもの。手の機能は非常に複雑なため、機能再建術をするには細かい分類が必要になるのは当然である。
ASIAの分類は損傷高位を明確にするため、髄節ごとにザックリと分類しているが、上肢や手指の再建術を行う場合は、より細かい分類が必要になってくるため、Zancolliの分類が生まれたものと言える。
例えば、肘屈曲可能群C5,6の残存運動機能が上腕/上腕二頭筋の場合、腕橈骨筋(C5,6)の機能が無ければC5A、有ればC5Bと分類される。このとき、機能が悪いとき”A”が付き、機能が良いとき”B”が付く。
手関節伸展可能群C6,7の場合、手関節背屈力が弱い時はC6A、手関節背屈力が強い時はC6Bと分類される。C6Bは更に、機能の程度に応じてⅠ~Ⅲの3段階に細分される。円回内筋(C6,7)、橈側手根屈筋(C6,7)、上腕三頭筋(C6,7,8)の機能が無いときはC6BⅠに、円回内筋(C6,7)があるときはC6BⅡに、前記3筋の機能があるときはC6BⅢに分類される。
手指伸展可能群C7,8の場合、尺側指完全進展可能なときはC7A、全指伸展可能で母指の伸展が弱いときはC7Bに分類する。
手指屈曲可能群C8,T1の場合、尺側指完全屈曲可能なときはC8A、全指屈曲可能なときはC8Bに分類する。更に、C8Bは機能の程度でⅠとⅡに細分される。浅指屈筋機能無しのときC8BⅠに、浅指屈筋機能有りのときC8BⅡに分類される。