【運動麻痺の実際】
脊髄損傷は多くの場合、運動麻痺(運動機能障害)を伴います。
運動麻痺は麻痺域の筋が動かない状態のことを言い、程度により歩行が困難あるいは不能になったりします。損傷高位が頸髄レベルの場合は両手の運動に障害が出たり、損傷高位がC3以上の場合は、呼吸困難になり人工呼吸器の使用を余儀なくされる場合もある。
麻痺が「完全麻痺」か「不全麻痺」かにより、予後は左右される。
【完全麻痺】
最下位仙髄節の運動と知覚が完全に喪失した状態
【不全麻痺】
「sacral sparing有り」の場合 = 最下位仙髄節の運動and/or知覚が残存した状態を言う
= 麻痺が軽いという知らせ
= 排尿自立度が高くなる
最下位仙髄節の運動とは、肛門括約筋の随意収縮(S4,5)による運動
最下位仙髄節の知覚とは、肛門皮膚粘膜移行部の触覚と痛覚(S4,5)のこと